主研究者である新堀真希さん(お茶の水女子大生)が提案した実験は「メダカ」の実験です。
メダカの実験といえば、1994年7月向井千秋宇宙飛行士が微小重力下でのメダカの交尾・産卵行動を調べる実験が行われました。
実験装置は、外部容器のハビタット(図1-1)と、内部容器のネスト(図1-2)で構成されます。 ネストには、水以外は通過できないほどの小さな目の網で6つの空間に仕切られています。
産卵後、3日、5日、7日目の卵が各2個づつ、各仕切り空間に収められます。予備用として、上下同じ条件で卵が収めらるため、卵は合計12個となります。
図1-3のように、ハビタットにネストが収められた実験装置の中には水・水草・食べ物(バクテリア)も一緒に入っていて、エコシステム(生態系)が保たれています。
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図1-1:水棲動植物
ハビタット
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図1-2ネスト
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図1-2ネスト
上から見たところ
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図1-3ハビタットにネストを収めて実験装置の完成となります。
(想像図)
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こうすることにより、カメラでそのふ化の様子を撮影することができす。
カメラは図2のようなカラーデジタルカメラを使用します。このカメラを図3のように上下2つにセットします。この状態で図1の装置全体を撮影することができます。
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図2:デジタルカメラ
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図3:図2のカメラを2つ設置した
実験装置(一部想像図)
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メダカのたまごの状態、たまごからどのようにふ化するか、ふ化した後どのように泳ぐのか、などをカメラで撮影をします。
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今回のS*T*A*R*Sプログラムでは日本の他に、アメリカ・カナダ、イスラエル、オーストラリア、シンガポール、中国も実験を行います。
これらの国々の装置は、図4のように一つのパッケージのまとめられます。
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図4:実験装置
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打上げの際には、電源や温度調節などの機能の付いたケースに収められます。(図4をケースに入れる)。その様子を図5に示しています。
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図5:実験装置(最終構成図)
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さて、この実験装置はスペースシャトルのどこに置かれるのでしょうか。下のシャトルの図6を見てください。
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図6:STS-107ミッションでの
スペースシャトル構成図
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操縦席からモジュールを見たところ
白い「布」でおおわれている。
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この図の「SH Double Module」と書いてあるところ(青い丸で囲んだ部分)に下の図7に示すスペースハブ社のモジュールが搭載されます。
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図7:スペースハブ社製実験施設
(モジュールと呼ばれています)
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このモジュールは、宇宙飛行士が宇宙服なしでも作業が出来るように、空気の供給や照明、そして換気設備も整っています。実験に必要な電力や温度調節、そしてデータ収集設備も備えています。 図8はモジュールの外観を示しています。
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図8(1):船首・右舷側から見たモジュール
(穴の部分には、シャトルの操縦席部分とトンネルで接続されます。)
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図8(2):船尾・右舷側から見たモジュール
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モジュール内のSTARS実験装置の設置場所は、図9の青い線で囲まれたところです。
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図9:施設(モジュール)内に設置されるロッカー配置図
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