2003/01/24
宇宙と地上でメダカ生育実験 教育大付属高と愛東中


 米スペースシャトル「コロンビア号」内と地上で同時にメダカをふ化させて成長を比較する実験に、京都教育大付属高(京都市伏見区)と愛東中(滋賀県愛東町)の生徒が取り組んでいる。24日、インターネットや電話を使って米国や国内の計12会場を結んだ実験説明会があり、2人は米国からの映像を見ながら、宇宙へのあこがれをふくらませた。

 京教大付属高2年の薬師川聡子さん(17)=生駒市=と、愛東中3年の北川翔輝君(15)=愛東町=。実験は今月17日に打ち上げられたシャトルの微小重力下でのメダカの泳ぎ方などを調べる狙いで、宇宙開発事業団とJUSTSAP(日米科学技術宇宙応用プログラム)が取り組んでいる。

 薬師川さんは中1の時に日本宇宙少年団の団員となった。NASA(米航空宇宙局)を見学し、出会った研究者に刺激を受けてきた。中2の時に今回の実験に応募した。昨年夏から水槽の水温や日照時間などに苦労しながら準備をしてきた。

 薬師川さんは「宇宙の始まりや進化など、わからないことを考えることが楽しい。宇宙実験は医学など、たくさんの分野に利用できる。将来はNASAのスペースシャトルやヘリコプターをつくりたい」と夢を語る。

 北川君は小4のころから、星や無重力など宇宙の不思議に魅せられた。いまもよく夜空や流星群を眺める。実験に参加するのは2回目。小5の時、シャトル内でモヤシの根の伸び方に電圧がどう影響するか実験が行われた際にも、参加した。「メダカ1匹がふ化し、ノートに記録を始めている」と話す。

 この日、薬師川さんは高校で、北川君は八日市市の塾で説明会に参加した。実験を提案した大学生が米国からメダカの成育状況を質問すると、薬師川さんは「今日の午前10時半にふ化しました」と答えた。また米国にいる宇宙飛行士の向井千秋さんが「夢を持ちながら宇宙を利用した研究をしてください」と電話で呼びかけた。(京都新聞)